厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書(page 17/94)[厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書]

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概要:
平成22年度厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究分担報告書研究課題:「Menkes病・occipital horn症候群の新規治....

平成22年度厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究分担報告書研究課題:「Menkes病・occipital horn症候群の新規治療の効果・問題点」分担研究者小川英伸(帝京大学小児科・講師)研究報告研究要旨メンケス病患者およびoccipital horn症候群患者に対してジスルフィラム経口投与を行い、これら疾患の症状および検査値改善に有効である可能性を示した。A.研究目的メンケス病患者およびoccipital horn症候群(OHS)患者におけるジスルフィラムの有効性を検討するため、ジスルフィラムの経口投与を行い、臨床症状および検査値への効果を検討する。B.研究方法メンケス病患者3名とOHS患者1名に対して、ジスルフィラム(ノックビンR)経口投与を行い、臨床症状の変化を観察するとともに、以下の検査値を指標として効果を検討した。なお、メンケス病患者ではすべてヒスチジン銅皮下注射療法を行っており、その投与量は変更しなかった。血中銅・セルロプラスミン(Cp)濃度、血中アドレナリン(AD)・ノルアドレナリン(NAD)・ドパミン(DA)濃度、尿中(VMA)・( HVA)濃度。(倫理面への配慮)帝京大学医学部附属病院の倫理委員会において承認を得た。また、それぞれの患者ご両親から治療についての同意を得た。C.研究結果メンケス病患者1例において、ジスルフィラム投与後に、ヒスチジン銅投与量の変更なく、血中銅およびCp値の上昇がみられ、活動性の増加など、神経症状の改善とも考えられる変化が見られた。その他の症例においても、明確な変化ではなかったものの、わずかな上昇傾向がみられたが、症状に変化は見られなかった。銅酵素であるDopamineβhydroxylase活性の指標となる、血中NAD/DA比・AD/DA比、および尿中VMA/HVA比はいずれも明らかな変化は見られなかった。また、副作用と思われる臨床症状や検査値異常は認めなかったD.考察ジスルフィラムがヒスチジン銅との併用で脳内銅濃度や銅酵素活性を改善させることをこれまで動物実験で示してきた。今回メンケス病およびOHS患者においてもジスルフィラム投与後に血中銅・Cp値の上昇傾向15