厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書(page 19/94)[厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書]

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平成22年度厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究分担報告書研究課題:「Menkes病モデルマウスであるマクラマウスでの銅注射とdisulfiram経口投与の併用療法の効果」分担研究者藤澤千恵(帝京大学小児科・Research Fellow)研究協力者ワッタナポン・ペットパラシット(帝京大学小児科・Research Fellow)吉野美香(帝京大学小児科・Research Fellow)研究報告研究要旨Menkes病患者に対する新規治療効果を検討するために、銅と脂溶性キレート剤disulfiramの併用投与をMenkes病モデルマウスであるマクラマウスに行いその効果を検討した。この併用投与により銅の吸収が増加し、銅酵素活性が上昇する可能性が示唆された。また、銅が血液脳関門を通過するとともにカテコラミン代謝を促進したと考えられた。本研究結果から銅とdisulfiram併用投与によるMenke病への新規治療法は有用であると考えられた。A.研究目的Menkes病患者では非経口投与で銅治療を行っても重篤な神経症状、結合織異常に対しての効果は得られていない。Menkes病患者治療においては投与した銅を有効的にゴルジ体膜や血液脳関門を通過させることが重要である。今回、脂溶性キレート薬と結合した銅はゴルジ体膜や血液脳関門を通過し、銅欠乏が改善されるとの仮説を立て研究を行った。本研究の目的はMenkes病の治療法を開発し、有効な治療法を確立することである。B.研究方法(1)disulfiram投与実験にはマクラマウスと正常コントロールとして正常雄マウスを使用した。マクラマウスは生後早期に銅投与を行わなければ死亡するため予め生後3日にCuCl2を銅換算で50 ?gとなるように皮下投与した。生後7日目から週1回マクラマウスに銅10??gの皮下注射とジスルフィラム0.3mg/g body weightを経口投与した(マクラマウス治療群)。対照群としてマクラマウスに銅10??g皮下注射と水(DDW)の経口投与を行った(マクラマウス対照群)。正常雄マウスには何も投与を行わなかった(正常マウス群)。投与期間は短期投与として8週間、長期投与として24週間投与を行った。投与とともに体重の測定を行った。(2)検体の回収マウスを解剖後、血清は採血後遠心、使用まで-80℃にて保存した。各臓器は、銅濃度測定用、cytochrome c oxidase活性測定、カテコラミン分析、血清AST, ALT, BUN,クレアチニンの測定を行った。(3)銅濃度測定各種臓器の銅濃度測定を行った。臓器は20 mg前後計量採取し、120℃で乾燥した後再度計量しdry weightを算出した。乾燥したサンプルに濃硝17