厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書(page 21/94)[厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書]
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概要:
今回、銅濃度測定結果において個体差が大きかったため外れ値統計を行った後有意差を検討した(Figure 4, 5)。その結果、短期間では小脳で正常マウスに比べマクラマウス対照群及び治療群で有意に低値を示した(Figure 4....
今回、銅濃度測定結果において個体差が大きかったため外れ値統計を行った後有意差を検討した(Figure 4, 5)。その結果、短期間では小脳で正常マウスに比べマクラマウス対照群及び治療群で有意に低値を示した(Figure 4)。肝臓においてはマクラマウス対照群が正常マウス、マクラマウス治療群に比べ有意に低値を示した。長期間投与においては大脳においても正常マウスに比べマクラマウス対照群、治療群ともに有意に低値を示した(Figure 5)。これらのことからマクラマウス治療群では短期間投与により血清中に銅が輸送されている可能性が考えられた。また、大脳、小脳は個体差が大きく、脳内についてはさらなる検討が必要である。腎臓、小腸における銅濃度結果はマクラマウスが正常マウスに比べ銅濃度が高値を示した。これは腎臓、小腸ではATP7Aの機能不全により排出されない銅が蓄積していると考えられる。マクラマウス治療群での腎臓、小腸の銅濃度はマクラマウス対照群に比べて、さらに高くなった。(3)脳内cytochrome c oxidase活性短期間投与及び長期間投与における脳内cytochrome c oxidase活性の測定を行った(Figure 6)。短期間、長期間ともに大脳、小脳においてcytochrome c oxidase活性に有意な差は認められなかった。また、外れ値を抜かした統計においても同様の結果が認められた(Figure 7)。しかしながら、短期間投与においてマクラマウス対照群に比べマクラマウス治療群はその酵素活性が高い傾向が認められた。このことはdisulfiram投与により脳内のcytochrome c oxidase活性が改善される可能性が考えられた。今後はさらなる検討が必要であると考えられる。19