厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書(page 23/94)[厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書]
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概要:
外れ値を検討することにより大脳におけるノルアドレナリン/ドーパミン比に違いが認められたことは大脳への銅の輸送には個体差があると考えられた。(5)肝機能、腎機能検査肝機能、腎機能を調べるためにAST、ALT、BUN....
外れ値を検討することにより大脳におけるノルアドレナリン/ドーパミン比に違いが認められたことは大脳への銅の輸送には個体差があると考えられた。(5)肝機能、腎機能検査肝機能、腎機能を調べるためにAST、ALT、BUN、CREをオリエンタル酵母に依頼して測定を行った(Figure 12)。短期群ではマクラマウスの対照群および治療群ともAST, ALTはAST1の1検体を除いて正常であった。しかし長期群では、マクラマウス対照群においてもAST高値(正常マウスの値の上限値より高い)が9検体中5検体、ALT高値が9検体中1検体と異常値を示す率が高くなった。マクラマウス長期対照群でも肝機能に異常示す例が見られたことは、高齢による影響かもしれないと思われた。外れ値を除いた結果においてもALTで有意差が認められたことから肝機能に何らかの影響があると考えられた(Figure 13)。しかしながら組織内銅濃度に違いが認められないこと、組織像において特に異常が認められなかったことから更なる検討が必要であると考えられる。腎機能に関してはマクラマウス治療群、マクラマウス対照群ともに異常は認められなかった。外れ値統計の結果より個体によりALT、ASTともにばらつきが認められた。これらは銅に対する臓器の耐性、薬剤に対する反応性などが関与していると考えられる。D.考察今回、Menkes病モデルマウスであるマクラマウスに銅の非経口投与とdisulfiramの経口投与を併用投与しその効果を検討した。結果、disulfiramとの併用投与により血清中銅濃度が有意に増加するとともに脳内へ銅が輸送された可能性が示唆された。また、銅酵素であるcytochrome coxidase活性に対しても効果がある可能性が考えられた。長期間投与における判定はマクラマウスが銅治療により延命すると正常マウスと違いが認められなくなる性質があることからさらなる検討が必要であると思われる。また、短期間投与では有意な効果が出ないものもあったがマクラマウス対照群に比べ効果が期待できる傾向が認められたことからさらに条件検討が必要である。今回データについて外れ値についての検討も行ったが外れ値の有無により有意差が異なったこ21