厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書(page 29/94)[厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書]
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概要:
から銅酵素であるlysyl oxidase活性が低いことが知られている。今回測定した結果、培養上清中のlysyl oxidase活性がMenkes病患者線維芽細胞で低かった(Figure 1)。者においてもDEDTC添加によるlysyl oxidase活性の上....
から銅酵素であるlysyl oxidase活性が低いことが知られている。今回測定した結果、培養上清中のlysyl oxidase活性がMenkes病患者線維芽細胞で低かった(Figure 1)。者においてもDEDTC添加によるlysyl oxidase活性の上昇が認められた(Figure 3)。Menkes病患者線維芽細胞上清中lysyl oxidase活性はどの患者においても低かったが患者によってその酵素活性に違いが認められた。今回の研究で我々はMenkes病患者に対する新規治療としてdisulfiramと銅の併用療法を検討している。Disulfiramは難水溶であるためdiethyldithiocarbamate(DEDTC)を用いて線維芽細胞への作用を検討した。DEDTC濃度は細胞障害を引き起こさない濃度で添加を行った。DEDTCの作用によりMenkesb病患者線維芽細胞培養上清中lysyl oxidase活性が上昇した(Figure 2)。また、正常ヒト線維芽細胞においてはDEDTCによるlysyl oxidase活性の上昇は認められなかった。Menkes病患者線維芽細胞はATP7A機能不全のため銅が細胞外に抽出されないことから細胞内銅濃度が高いことが知られている。今回使用した細胞における細胞内銅濃度の測定を行った(Figure 4)。Menkes病患者線維芽細胞における銅濃度は正常ヒト線維芽細胞に比べ有意に高値を示した。また、その細胞内銅濃度はDEDTCにより減少する傾向が認められたが有意な差は認められなかった。DEDTC無添加ではMenkes病患者線維芽細胞は正常線維芽細胞に比べて有意にlysyl oxidase活性が低かったがDEDTC添加により差がなくなった。患者別にその活性の上昇を確認したところどの患D.考察今回、Menkes病患者線維芽細胞にDEDTCを添加培養した結果、lysyl oxidase活性の上昇が認められた。このことから細胞内の銅がDEDTCにより細胞外へと分泌された可能性が考えられる。しかしながら細胞内銅濃度はDEDTC添加による有意な27