厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書(page 3/94)[厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書]

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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)総括研究報告書Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究児玉浩子帝京大学医学部小児科研究要旨Menkes病およびoccipi....

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)総括研究報告書Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究児玉浩子帝京大学医学部小児科研究要旨Menkes病およびoccipital horn症候群は希少疾患で、現在有効な治療法がない。本研究では全国主要小児科に対して実態調査を行い、発症頻度を検討した。Menkes病は男子出生100万人に約8.03人、occipital horn症候群は男子出生の約68万人に1人と推定された。ヒスチジン銅皮下注射とジスルフィラム(ノックビンR)経口投与の併用療法をモデルマウスおよび該当疾患患者で行った。モデルマウスでは良好な体重増加、血清・脳の銅濃度の改善、および脳での銅酵素であるチトクロームCオキシダーゼ活性の改善傾向が認められた。また、脳内への銅の輸送が確認された。患者では、血清銅・セルロプラスミン値の改善および臨床症状の改善が見られた。副作用は認められなかった。これらの結果から、本治療はMenkes病に有効と考えられた。研究分担者:小川英伸帝京大学医学部小児科講師研究分担者:藤澤千恵帝京大学医学部小児科Research Fellow研究分担者:新宅治夫大阪市立大学大学院医学研究科小児科教授研究分担者:清水教一東邦大学小児科研究分担者:黒澤健司地方独立行政法人神奈川県立病院機構・神奈川県立こども医療研究分担者:顧センター遺伝科部長艶紅独立行政法人・国立成育医療研究センター研究所研究員A.研究目的Menkes病は銅輸送ATPase (ATP7A)遺伝子異常症である。ATP7Aタンパク機能低下により銅の腸管・血液脳関門等での銅輸送障害がおこり、銅欠乏による重篤な神経症状・結合織異常(難治性痙攣、血管蛇行、出血、膀胱憩室、骨粗鬆症等)を呈する。Menkes病患者は幼児期に死亡する例が多く、発症頻度は不明で、有効な治療法もない。本症患児の殆どは神経障害発症後の生後3か月以降に診断される。しかし神経障害発症後では現在の治療・ヒスチジン銅皮下注射は効果がなく、神経障害は進行する。早期治療開始で神経障害は予防できるが、結合織障害は予防できない。したがって早期診断法と有効な治療法の開発が待たれている。Occipital horn症候群もATP7A異常でMenkes病軽症型であるが、実態は全く1