厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書(page 4/94)[厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成22年度 総括・分担研究報告書]

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概要:
不明である。本研究の1つの目的は、両疾患での日本での発症頻度・臨床症状の経過・合併症などを全国主要施設に協力してもらいアンケート調査で明らかにし、神経症状発症前の患児の特徴を明らかにし、早期診断基準、....

不明である。本研究の1つの目的は、両疾患での日本での発症頻度・臨床症状の経過・合併症などを全国主要施設に協力してもらいアンケート調査で明らかにし、神経症状発症前の患児の特徴を明らかにし、早期診断基準、早期診断法を確立することである。また同時に遺伝子解析結果と臨床症状の関連を明らかにする。もう1つの目的は、我々がモデルマウスで開発した新規治療法(銅皮下注射とノックビン経口投与の併用療法)の長期的効果をモデルマウスで解明する。治療を希望する患者家族に新規治療を適応し、治療法を確立することである。B.研究方法1.患者数把握のための実態調査、広報活動Menkes病およびoccipital horn症候群の過去10年間の診療経験の有無について、病院小児科、療養施設の医師を対象に全国アンケート調査を行った。患者を診療した経験のある主治医には、2次アンケートとして、詳細な病歴を調査中である。特に神経症状発症前の臨床的特徴などを詳細に調査する。その際に遺伝子診断が可能であること、Menkes病友の会の存在なども通知を行った。また、病態、アンケート及び関連広報をホームページ上で行った(http://www.pediatric-world.com/menkes/index.html)。2.遺伝子型―表現型の関連の解明遺伝子解析を希望する当該疾患患者で、文書で同意を得た後に、ATP7A遺伝子のゲノム解析、RT-PCR法によるmRNA解析、培養線維芽細胞を用いての生化学的診断を行った。患者家族への遺伝子解析結果説明は遺伝カウンセリング資格を有する小児科医が担当した。3.新規治療法(disulfiram経口投与とヒスチジン銅皮下注射)の確立①モデルマウスを用いた新規治療の短期的および長期的効果の解明Menkes病モデルマウスであるマクラマウスを銅とdisulfiram投与群および対象群として銅のみ投与群に分けて2カ月間及び6ヵ月飼育した。銅は塩化銅10 ?g/回を2回/週で皮下注射、ノックビンは0.3 mg/g bodyweightを2回/週で経口投与した。経過中の体重増加および治療後の各臓器の銅濃度、チトクロームCオキシダーゼ活性、カテコラミンを測定した。さらに一般生化学、血清銅値、肝機能、腎機能等を検討した。同時に各臓器の組織学的検討、肝機能や腎機能を解析し、副作用の有無を明らかにした。②患者への新規治療の実施Disulfiram (ノックビンR)はアルコール中毒の治療薬として保険診療で認可されている薬剤である。さらに抗がん剤であるシスプラチンの副作用軽減剤、コカイン中毒の解毒薬としても用いられている。文書で同意が得られた患者に本併用療法を行い、効果の評価および副作用の有無を明らかにする。効果は患者の全身状態、神経症状および血清銅、セルロプラスミン値、骨密度、さらに銅酵素活性の改善は血清乳酸、ピルビン酸、カテコラミン分画などで行う。同時に血算、肝機能、腎機能等を定期的に検査し副作用の有無を明らかにする。(倫理面への配慮)モデルマウスを用いたMenkes病治療法開2