厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」 平成23年度 総括・分担研究報告書

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」 平成23年度 総括・分担研究報告書(page 105/118)[厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」 平成23年度 総括・分担研究報告書]

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概要:
Menkes病患者皮膚線維芽細胞を用いた銅分泌酵素Lysyl Oxidase (LOX)活性に対するDiethyldithiocarbamate (DEDTC)の効果の検討はじめにMenkes病は銅輸送蛋白であるATPase (ATP7A)遺伝子異常による先天性銅代謝異常疾....

Menkes病患者皮膚線維芽細胞を用いた銅分泌酵素Lysyl Oxidase (LOX)活性に対するDiethyldithiocarbamate (DEDTC)の効果の検討はじめにMenkes病は銅輸送蛋白であるATPase (ATP7A)遺伝子異常による先天性銅代謝異常疾患である。ATP7Aは細胞内で銅のサイトソルからゴルジ体および細胞外への輸送を司っている。ゴルジ体の銅は分泌銅酵素として、細胞外に分泌される。ATP7A機能不全であるMenkes病細胞では、銅がゴルジ体へ輸送されないため、コラーゲン架橋を司る分泌銅酵素Lysyl Oxidase (LOX)活性の低下が生じ、重篤な結合織異常を呈する。非経口銅投与によってもゴルジ体への銅輸送は改善されないため、LOX活性は改善されず、結合織異常に対しては効果がない。したがって、Menkes病治療においては、投与した銅を有効的にゴルジ体膜や細胞膜を通過させることが重要である。Disulfiram(ジスルフィラム)は、Diethyldithiocarbamate (DEDTC)の二量体であり、体内で速やかにDEDTCに還元される。我々は、以前、Menkes病モデルマウスを用いて、銅と脂溶生キレート剤DEDTCの併用投与が血液脳関門での銅の輸送に有効であることを示した。今回は、Menkes病皮膚線維芽細胞を用いて、分泌銅酵素LOX活性を指標としてDEDTCの有効性について検討した。