厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」 平成23年度 総括・分担研究報告書

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」 平成23年度 総括・分担研究報告書(page 6/118)[厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」 平成23年度 総括・分担研究報告書]

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概要:
されている(p44-58)。D.考察本研究は平成22年度の2次募集の事業で、採択日は平成22年8月26日である。採択後にアンケート調査、動物実験、患者への治療を開始したものであるため、研究期間はまだ短い。しかし、現在も....

されている(p44-58)。D.考察本研究は平成22年度の2次募集の事業で、採択日は平成22年8月26日である。採択後にアンケート調査、動物実験、患者への治療を開始したものであるため、研究期間はまだ短い。しかし、現在も研究は着実に進行中である。今までの結果では、大まかに算定してMenkes病は男子出生の約13万人に1人の発症、occipital horn症候群は男子出生の約68万人に1人と考えられる。今後、登録患者を詳細に検討することにより、より正確な発症頻度が明らかになる。また、現在2次調査を継続して実施しており、それにより発症前の詳細な症状が明らかになり、早期診断法の確立が可能となる。モデルマウスおよび患者での研究成果では、併用療法時の血清銅およびセルロプラスミン値は、銅注射のみの場合に比べて、明らかに上昇した。これは腸管での銅の吸収が改善していることを示唆している。さらに、モデルマウスでは、脳内の銅濃度およびチトクロームCオキシダーゼ値が改善した。これらの結果は、銅が脳血液関門を通過して神経細胞に輸送され、銅酵素であるチトクロームCオキシダーゼに利用されていることを示唆している。すなわち、当初に期待した効果が見られていると言える。また、明らかな副作用は認めていない。患者家族も患者が元気になったことを実感しており、本併用療法が治療法として有効であることを示唆している。今後、モデルマウスおよび患者での長期的効果を検証し、確立した治療法を提唱する予定である。E.結論Menkes病およびoccipital horn症候群は希少疾患で、現在有効な治療法がない。全国アンケート調査の2次調査で、発症前の症状・所見を明らかにした。これらの結果を踏まえて早期診断法が提唱できると考えられる。新規治療法に関しては、現在治療中の患者で副作用は見られておらず、数例で臨床症状の改善や血清銅・セルロプラスミン、骨密度等の改善が認められている。より詳細に経過を評価して、来年度中に治療指針を提唱する予定である。F.健康危険情報なしG.研究発表研究成果の刊行に関する一覧表、p113-115H.知的財産権の出願・登録状況なし