厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」 平成23年度 総括・分担研究報告書

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」 平成23年度 総括・分担研究報告書(page 7/118)[厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」 平成23年度 総括・分担研究報告書]

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厚生労働省科学研究補助金(難治性疾患克服研究事業)Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究分担報告書研究課題:「ヒスチジン銅の治療を受けているMenkes病患者の発育....

厚生労働省科学研究補助金(難治性疾患克服研究事業)Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究分担報告書研究課題:「ヒスチジン銅の治療を受けているMenkes病患者の発育状況に関する疫学研究」分担研究者顧艶紅(国立成育医療研究センター研究所上級研究員)研究要旨平成22年度の10-11月に行った全国関連機関に対する1次と2次調査で得たMenkes病に関するデータを入力し、ダブルチェックした。合計1982-2009年に生まれた36人のMenkes病男児の出生時体重、出生時身長、出生時頭囲、ヒスチジン銅の治療中の身長や体重等のデータを用いて、疫学解析を行った。Menkes病男児の平均在胎週数±標準偏差は36.9±1.3週(N=36、範囲33-39週)、平均出生体重は±標準偏差は2621.8±338.0g(N=35、範囲1650-3314g)であった。しかし、在胎週数別の出生時体重、出生時身長と出生時頭囲は平成22年の厚生労働省の病院調査の一般男児データと比べ、統計上の有意差はみられなかった。生後2か月以降にヒスチジン銅治療を開始したMenkes病男児はヒスチジン銅治療を行っているにも関わらず、体重と身長が一般男児より徐々に遅れてきて、延命期間が長くなるにつれて、体重と身長の遅れが顕著であった。ヒスチジン銅治療開始が生後2か月以降になれば、神経障害には効果がないと言われている。今回の結果で、ヒスチジン銅治療開始が2か月以降である場合は、発育障害も進行することが明らかになった。A.研究目的Menkes病に対する現行の治療法はヒスチジン銅の非経口投与である。非経口的ヒスチジン銅治療開始が生後2か月以降になると、神経障害の改善が見られない。その理由は、脳血液関門での銅蓄積と神経細胞への銅の輸送障害が原因であるとされている。一方、発育に関するヒスチジン銅の治療効果は検討されていない。今後の治療法の改良や開発のために、現行の治療法での発育に及ぼす影響を明らかにすることが必要である。そのために、今回、ヒスチジン銅の治療を受けているMenkes病男児の体重と身長の変化について、検討した。B.研究方法研究データは2010年の質問紙調査で得たもので、具体的な方法は2010年度の藤澤千恵らの研究報告書に記載した。対象者は1982-2009年の間に生まれた36例の男児の患者であった。また、経時的に体重と身長のデータが記載されたのは検討した36例中12例であった。研究データは匿名で、PASWで統計処理を行った。また、一般男児データと比較するために以下の参考データを利用した。1.「平成22年乳幼児身体発育調査の概況について」(http://www.mhlw.go.jp)、2、インターネットで公表された成長曲線自動作成プログラムhttp://www.pediatric-world.com/teikyou/seicho.html。