厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」 平成23年度 総括・分担研究報告書(page 8/118)[厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」 平成23年度 総括・分担研究報告書]
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概要:
調査時に36人の患者の栄養摂取の方法は次の通りであった。経口摂取のみは10人、経腸栄養のみは16人、経口摂取と経腸栄養は3人、中心静脈栄養と経腸栄養は6人、不明は1人であった。C.研究結果1.表1に示したようにMenk....
調査時に36人の患者の栄養摂取の方法は次の通りであった。経口摂取のみは10人、経腸栄養のみは16人、経口摂取と経腸栄養は3人、中心静脈栄養と経腸栄養は6人、不明は1人であった。C.研究結果1.表1に示したようにMenkes病男児における在胎週数別の出生時体重、出生時身長と出生時頭囲は平成22年の厚生労働省の病院調査の一般男児のデータと比べ、統計上の有意差がみられなかった。2.Menkes病患者で、ヒスチジン銅の皮下注射を受けている患者の体重、身長の経過を表2、3に示す。全例においてヒスチジン銅皮下注射の開始月齢は、3か月以降の神経症状が発症してからであった。表2と3に示すようにヒスチジン銅の皮下注射を受けているにもかかわらず、体重と身長の-SD値は大きくなった。すなわち栄養状態は年齢が経るにつれて悪くなっていた。表2で示すように同じ月齢で体重が標準偏差は小さい方が長く生存できる傾向がみられた。D.考察今回の検討結果で、Menkes病患児はやや早産で出生するが、出生時体重・身長は対照児と有意差がなかったことより、胎内では発育不全は見られないと考えられた。しかし、神経症状が発症した生後3か月以降にヒスチジン銅皮下注射の治療を開始した場合は、ヒスチジン銅投与を続けているにもかかわらず、体重・身長の増加は不良で、発育障害が徐々に進行し、患者の予後にかかわることが明らかになった。体重・身長の伸びの障害は、栄養不良が重要な要因と考えられるが、本症の患者は寝たきりであり、筋力低下、筋緊張低下であるため、筋などの発達が悪いことも原因であると考えられる。本症患者では骨粗鬆症を併発し、骨折も合併する。さらに、本症患者では、高頻度に難治性の下痢が続く。本症に下痢が伴うことの機序は不明であり、その解明は、本症患者の栄養状態を改善させるためにも今後の課題である。E.結論Menkes病男児における在胎週数別の出生時体重、出生時身長と出生時頭囲は一般男児のデータより、統計上の有意差がみられなかったが、ヒスチジン銅治療開始が3か月以降の場合、体重と身長の増加が不良で、成長障害は徐々に進行し、患者の予後にかかわる傾向がみられた。F.健康危険情報なし。G.研究発表なし。H.知的財産権の出願・登録状況なし。