タイトル厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書
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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書
度神経障害・結合織異常が進行する。早期に診断し治療を開始すると神経障害は予防できるが、結合織障害は予防できない。したがって早期診断と新規の有効な治療法の開発が待たれている。Occipital horn症候群はMenkes病の軽症型であるが、わが国での発症頻度は全く不明で、治療法もない。本研究の目的は①Menkes病およびoccipital horn症候群の発症頻度を明らかにする。②遺伝子型と表現型の関係を解析する。③神経症状発症前の特徴を明らかにし、早期診断法を確立する。④Menkes病モデルマウスであるmacularマウスで、併用療法の治療効果を判定する。⑤両患者での新規治療の治療効果と副作用を明らかにする⑥公開講座やホームページで、両疾患の理解および本研究の成果を世間に周知させる。.B.研究方法1.早期診断のための病歴調査、広告活動Menkes病およびoccipital horn症候群の経験の有無について、小児神経専門医1,678人、公立病院および大学病院の小児科1,209施設、重症心身障碍施設24施設、すでに把握しているMenkes病患者主治医30名(合計3,161)に過去10年間でのMenkes病、occipital horn症候群の診療経験を調査した。患者を診療した経験のある主治医には、2次アンケートとして、詳細な病歴を調査した。特に神経症状発症前の臨床的特徴なども詳細に調査する。その際に遺伝子診断が可能であること、Menkes病友の会の存在なども通知する。友の会のホームページにも実態調査協力を呼びかけた。関連学会で実態調査を広報した。さらに、全国アンケート調査の2次調査で、出生時の体重、身長、頭囲を正常児と比較した。また、小奇形の有無を調査した。得られた知見について随時メンケス病・オクチピタールホーン症候群のホームページ等で公表した。(http://www.pediatric-world.com/menkes/index.html)2.遺伝子型と表現型の関連の解析遺伝子解析を希望する当該疾患患者で、文書での同意を得た後に、ATP7A遺伝子のゲノム解析を行い、遺伝子型と表現型の関連を解析した。3.新規治療法(ジサルフィラム経口投与とヒスチジン銅皮下注射の併用療法)の効果の検討①Macularマウスを用いての新期治療の効果の解析モデルマウスを用いて、ノックビン経口投与と銅注射の併用療法を1~2か月間行い、個体としての活動性・体重増加などを評価した。さらに、解剖し、各臓器の銅濃度、銅酵素活性などを検討した。銅濃度および銅酵素活性測定はすでに習熟している。同時に各臓器の組織学的検討、肝機能や腎機能を解析し、副作用の有無を明らかにした。②患者への新規治療の実施ノックビンはアルコール中毒の治療薬として保険診療で認可されている薬剤である。さらに抗がん剤であるシスプラチンの副作用軽減剤、コカイン中毒の解毒薬としても用いられている。Menkes病およびoccipitalhorn症候群の病態および併用療法の作用機序から考えてoccipital horn症候群に対2