タイトル厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

Menkes病の診断・診療指針診断指針1.生後2か月以前でも、低体温のエピソード、頭髪異常(少ない、縮れ毛、色素減少など)、硬膜下出血、骨折があればMenkes病を疑い、精査を行う(Class I, Level B)。2.生後2か月以降にけいれん、哺乳力減少、発達遅延、筋緊張低下が発症する(Class I,Level B)。3.膀胱憩室、血管蛇行、頭蓋内出血、骨粗鬆症、やせ、下痢、著明な発達遅延、発育障害が発症するが、発症時期や程度は症例により異なる(Class I, Level B)。4.生後2か月以降は、血清銅は30μg/dL以下、セルロプラスミンは15mg/dL以下と著明に低値である。しかし、新生児期は健常でも血清銅とセルロプラスミンは成人に比べて低値であるため、新生児期にはこれら値で評価することがしばしば困難である。新生児期で判断できない場合は、1~2週間後に再検する。本症では低下傾向を示す(Class I, Level B)。5.カテコラミン代謝物質である血漿DOPAC/DHPG (cut off<5.0)、尿中HVA/VMA (cutoff<4.0)も神経症状発症後では診断に有効である。しかし、新生児期の検討はされていない(Class I, Level B)。6.培養皮膚繊維芽細胞の銅濃度は著明に高い。最も信頼性が高い確定診断法である(ClassI, Level B)。7. ATP7A遺伝子異常を同定する。同定されれば確定診断できるが、非常にまれに変異が同定されない本症患者がいる(Class I, Level B)。8.発端者の遺伝子異常が同定されていたら、胎内診断は可能である。胎児が女児であれば、胎内診断は行わない。男児の場合は、両親と十分に話し合い、胎内診断を検討する(Class I, Level B)。9.銅の経口負荷試験は、対照比較データが少ないため、行わないほうがよい(Class IIb,Level C)。10.画像検査:①頭部MRI:生後2か月以降に、脳萎縮、硬膜下血腫、白質変化が見られる。稀に、生後2か月以内でも見られる。側頭葉を中心とした一過性の嚢胞様変化を生じる場合もある(Class I, Level B)。②頭部MRA:結合織異常に伴う脳動脈の著しい蛇行を認める。発症時期や程度は患児により異なる(Class I, Level B)。③膀胱エコー・膀胱造影:多くの症例で、結合織異常に伴う膀胱憩室を認める。発症の時期や程度は患児により異なる(Class I, Level B)。46