タイトル厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

ページタイトル
厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

76ページ中、51ページ目の概要を表示しています。

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

当該ページを開く

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

当該ページの概要

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

図5. Menkes病の体内銅代謝病態図6.血液脳関門(BBB)にも腸と同様に銅蓄積病態がある.HepatocytesCuCuATP7ASerum CuCuThe intestinal lumenCuCells normally expressing ATP7AATP7ACuTrans GolgiApparatusSerum CuCeruloplasminCu-enzymeactivitiesClinical symptomsATP7ACuCuCuenzymeactivitiesII.遺伝形式・遺伝子異常1993年に本症の責任遺伝子が同定された9-11)。ATP7Aは染色体上ではXq13.3に存在し、本症はX染色体劣性遺伝形式を示す。本症患者での遺伝子変異は様々で、350以上の変異が報告されている。通常、母親は保因者であるが、約25%は母親に変異は同定されず、患児での突然変異で発症している。稀であるが、女児例が報告されている。今まで15例の女子例が報告されており、そのうちの5例はX染色体/常染色体の転座、1例は45X/46XXのモザイク、残りの9例中6例はGバンドでの染色体には異常がないが、skewedX-inactivation patternが認められたと報告されている12-18)。軽症MDおよびOHSはMDの軽症型で、ATP7A活性がある程度残存している。ATP7A遺伝子異常はsplice-siteまたはmissense変異が多い19,20)。III.発症頻度我が国での発症頻度に関しては、平成22年度の厚生労働省難治性疾患克服事業でMenkes病患者の実態調査を行った。一次調査は、小児神経専門医、公立病院および大学病院、重症心身障害児施設、Menkes病患児主治医(合計3,161)に過去10年間での経験症例を調査した。回収率は54.8%であった。2次調査で、62例のMenkes病患者が登録された。この間の全国出生数より、発症率は男児出生100万人当たり約8.03人であった。すなわち、男児出生約124,533人に1人であった21)。先行する報告では、1992-2002年の間に日本での発症率は総出生354,507人に1人(95%信頼区間: 270,270人に1人~555,555人に1人)、男児では出生204,088人に1人( 95%信頼区間:151,515に1人~312,500人に1人)49