タイトル厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

ページタイトル
厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

76ページ中、52ページ目の概要を表示しています。

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

当該ページを開く

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

当該ページの概要

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

であった22)。また、1999-2003年の間に総出生252,884人に1人( 95%信頼区間: 166,667に1人~333,333人に1人)、男児では出生135,791人に1人(95%信頼区間:90,909に1人~200,000人に1人)であった23)。本事業での発症頻度は先行報告よりやや多いが、おそらくMenkes病に関する知識が普及し、見逃し例が少なくなっているためと考えられた。他の諸国の報告を合わせて表2に示す24-26)。また、本事業での実態調査では、女子例が2例報告された。表1. Menkes病の発症率報告年(研究期間)研究場所発症率(in live birth)19712)オーストラリア1: 40,000198924)オーストラリア1: 90,0001991 (1976-1987) 25)ヨーロッパ5カ国(デンマーク、フランス、オランダ、イギリスと西ドイツ)1:254,000の共同研究198826)スイス1:114,2732005 (1992-2002) 22)日本1:354,507男児では1:204,0882008 (1999-2003) 23)日本1:252,884男児では1:135,7912011 (2000-2010) 21)日本男児では1:124,533女子は2例IV.症状1)神経症状発症前の特徴本症患者の平均在胎週数は36.9週(33-39週、n=36)、平均出生時体重は2.62kg(1.65-2.83kg, n=35)、平均身長は47.1cm(43.6-48.3cm, n=15)、平均頭囲は31.9cm(31.2-32.0 cm, n=12)とやや早産、低出生で出生する傾向がある。在胎週数別の出生時の体重、身長、頭囲を表2に示す22, 23)。また、高口蓋や小顎症などの小希形を合併している場合がある(表327)。新生児期の症状としては、黄疸、低体温、頭髪異常(縮れ毛、色素脱、少ない頭髪など)が認められる患児が多い(表4) 22, 23)。しかし、症状の程度は様々で、出生時にすでに硬膜下出血や骨折がみられる例から出生時に症状がない場合もある。症状の程度が症例により異なるのは、遺伝子変異のタイプと残存酵素活性によると考えられる。頭髪異常は特徴的で出生時から認められる症例が多いが、それに注目して本症が診断される症例は少ない。生後2か月後以降に、けいれん、哺乳力低下などで気づかれる。50