タイトル厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書
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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書
2)生後2か月以降の特徴未治療であれば、生後2~3か月以降に、頭髪異常の進行、けいれん、筋力低下、哺乳量減少、体重増加不良、下痢が出現し顕著になる。90%以上の患者でけいれんが発症する28)。小沢らの検討では、けいれん発症本症患者18例のうち、West症候群が半数であった29)。難治性で抗痙攣剤に効果がない例が多い。筋力低下も重症で、頸定がなく、寝たきりである。硬膜下出血が発症する例もある。骨粗鬆症、骨折、膀胱憩室、血管蛇行、消化系のポリープ、尿路感染症などが経過中に発症する。発症時期は症例により異なる。腎機能では、タンパク尿の出現はほとんど見られないが、尿中NGA、βミクログロブリンは高値で近位尿細管障害があると思われる30)。3)Menkes病の早期発見の症状・所見(日本人データ)表3-5に示すように、やや早産低出生体重児が多い。また、高口蓋、小顎症、頭蓋内のう胞などの奇形を合併していることもある。頭髪異常は本症に神経症状発症前に見られる所見であるが、気づかれない場合も多いと思われる。しかし、頭髪異常は本症に特徴的な所見であり、頭髪異常に注目することが早期発見につながる(図7)。低体温は一過性であるが、本症に特徴的な症状の1つである。図7. Menkes病患者の頭髪日齢1月齢3日齢2751