タイトル厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書
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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書
表4.出生時状態―奇形有無、出生後2ヶ月までの症状の特徴(日本人データ)出生直後あるいは新生児期に見られた異常%(人数)先天異常26.6% (17/64)*頭髪異常15.2% (7/46)(ちぢれ毛、ブロンドあるいは茶色頭髪)哺乳困難15.2% (7/46)低体温13.0% (6/46)新生児呼吸窮迫症候群10.7% (5/46)筋緊張低下症2.2% (1/46)皮膚異常2.2% (1/46)高ビリルビン血症2人において、記録があった*1999年から2006年までの日本全国先天異常の発症率(1.9%、クリアリングハウス国際モニタリングセンター日本支部)より、統計上有意に高かった(P < 0.05)。V.検査1)生化学的臨床検査(1)血清銅、血清セルロプラスミン血清銅値30μg/dL以下、血清セルロプラスミン値15mg/dL以下である場合、Menkes病を疑う23)。しかし、新生児期は、健常児であっても成人と比較すると低値であるため、この時期に血清銅値(基準値:臍帯血31±7μg/dL、生後1か月70±8μg/dL、小児・成人:98±20μg/dL)、セルロプラスミン値(基準値:生後1か月15~32mg/dL、小児・成人24~45mg/dL)のみから判断するのは難しい31)。臨床症状が本症に特徴的な臨床症状があり、血清銅、セルロプラスミン値が基準値より明らかに低下している場合は、本症が強く疑われる。血清銅およびセルロプラスミン値の判断が難しい場合は、血清銅、セルロプラスミン値の経過を追うことが大切である。日齢を追うにつれ(1~2週間)、健常児では血清銅・セルロプラスミン値は上昇傾向を示す。しかし、本症患者では、低下傾向を示す。(2)経口銅負荷試験腸管粘膜におけるATP7A欠損のため、銅の経口投与を行っても血清銅・セルロプラスミン値は上昇しない。このことを利用し、硫酸銅、あるいは、酢酸銅を用いて経口銅負荷試験を実施し、銅負荷後の血清銅、セルロプラスミンの上昇が前値の30%以下であれば異常と判断する。方法:硫酸銅あるいは酢酸銅を、銅として90μg/kg/day (分3)×5日間、空腹時に経口投与。負荷前、2,4,6,24,48,72,96,120,144時間後に血清銅、セルロプラスミン値を測定する32)。54