タイトル厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書

図9.頭部MRI画像図10.頭部MRA画像A. (症例A)6か月時T1WT2WFLAIRB. (症例A)1歳1か月時T1WT2WVI.治療治療法は、体内で欠乏している銅の補充である。脳への移行が良いとされる、ヒスチジン銅の皮下注射により銅補充を行う39,40)。尚、ATP7A欠損のため、経口摂取した銅は腸管粘膜に蓄積し血液中には取り込まれず、経口投与では血清銅・セルロプラスミン値の上昇は得られない。1)ヒスチジン銅銅錯体の中では、ヒスチジン銅が最も脳への移行が良いとされている5)。(1)方法ヒスチジン銅の投与量の目安は、血清銅・セルロプラスミン値を基準値に保つことである。銅として70~150μg/kg/回を、投与開始時には連日あるいは隔日皮下投与する。血清銅・セルロプラスミン値が基準値に達した後は、基準値を維持できるように週1~3回の投与へと調整する41,42)。尚、日本ではヒスチジン銅注射薬は薬価未収載であるため、特級試薬を使用し無菌的に使用時調整しなければならない42)。(2)効果・早期治療の効果神経症状を発症する前、生後2か月以内に非経口銅補充療法を開始した場合、中枢神経症状の改善が期待できる。血液脳関門(blood-brain-barrier)が成熟する前に、銅補56