タイトル厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書
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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23-24年度 総合研究報告書
者の遺伝子解析を行った。occipital horn症候群はsplice-site変異とmissense変異であることを明らかにした。Splice-site変異はリアルタイムRT-PCRで残存活性が存在することが確認された。遺伝子解析結果は遺伝カウンセリングを行い、患者家族に報告した。4.新規治療法(ノックビン経口投与とヒスチジン銅皮下注射)の確立①モデルマウスを用いた新規治療の短期的および長期的効果および副作用の解明体重増加は併用療法群で対象群に比べて有意に増加していた(平均体重増加:併用療法群20.33±0.34g、対照群18.64±0.49g)。小脳および血清の銅濃度、小脳チトクロームCオキシダーゼ活性は併用療法群で対象群に比べて有意に改善を示した。短期併用療法群の血算、肝機能、腎機能および血液一般生化学検査に異常は認められなかったが、長期併用療法群の一部で肝機能異常が認められた。今後の課題と考えられた。②モデルマウスでの新規治療での銅の脳への取り込みと保時の研究マクラマウスでの64Cuを用いたmicroPETの実験では、ノックビン投与マクラマウスでは、Cuの脳への取り込みが、ノックビンを投与していないコントロールマクラマウスに比べて、有意に多かった。さらにCuが長時間脳に保持された。すなわち、ノックビン併用で、銅の脳への移行・保持が、画像検査においても証明することが出来た。③患者への新規治療の実施7名のMenkes病患者でヒスチジン銅皮下注射とノックビン経口投与の併用療法を開始した。年齢は3歳~15歳で、6例は男児、1例は女児であった。7例ともヒスチジン銅の皮下注射をすでに行っている患者であった。ヒスチジン銅は原則今までの投与量で行った。ノックビンは30mg/日から開始し、徐々に増量し、約10mg/kg/日で現在経過を観察している。反応は症例により異なった。血清銅およびセルロプラスミン値がノックビン併用により上昇し、ヒスチジン銅を減量できた症例も見られたが、ノックビン併用でこれらの血清値に変化がない症例もあった。しかし、活動性、神経発達、骨密度などが有意に改善した例もあり、治療効果の症例による相違の理由を明らかにすることが今後の課題と考えられた。これらの成果は、平成23年10月の国際学会(ISTERH)でシンポジウムとして取り上げられ、諸外国の研究者に強い関心を持たれた。さらに学術英文論文として受理された。D.考察本研究で、Menkes病およびoccipital horn症候群の発症頻度を初めて明らかにすることができた。また、発症前の詳細な症状が明らかになり、早期診断法を確立することができた。早期診断法のガイドラインを日本小児神経学会で承認してもらう予定である。今後は、初期に認められる症状で早期診断が可能であることを小児科医・産科医に認知してもらう必要があると思われる。私たちが提案したヒスチジン銅皮下注射とノックビン経口投与の併用療法はモデルマウスでは、体重増加、血清銅・脳内銅値の4