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鼻水が1年半も止まりません。
慢性鼻炎といわれたり、アレルギー性と言われたり。でも、薬はまるで効きません。 |
―風邪をひいてから鼻水が止まらないのです。
先生●かかりつけの先生はどんなふうにいっていますか。
―最初は慢性鼻炎ということで薬をもらっていましたが、治らないのでアレルギー性のものかもしれないからと抗アレルギー剤を出されたこともありました。それも、目に見えた効き目がないのでいまは飲んでいません。先生も迷っておられるみたいです。
先生●小児科にはこのような患者さんが珍しくないのです。私の患者さんの中にも鼻水が止まらないといって1年じゅう来る人が何人かいます。原因によっては鼻水を簡単に止めることができないというのが現実なのですね。
―考えられる原因は何なのでしょうか。
先生●鼻水がずっと出ていて考えられる病気は(1)蓄膿症、(2)アレルギー性鼻炎です。子供の場合は、免疫の力が少し弱いために鼻水が止まらないということもあります。
―アレルギー性鼻炎であるなら、アレルギーの検査をすれば治療があるということですか。
先生●アレルギーの検査でアレルゲン(アレルギー症状の原因物質)がわかればそれを取り除けばよいのですが、難しい場合もあります。ただ、こんな場合、抗アレルギー剤を長期に飲むことで治っていくこともあります。
―何年もですか。何年も楠井を飲むなんて怖い感じ…。
先生●怖いということはありません。また、抗アレルギー剤は効かないなどという説もあるようですが、実際にはこれが効いたと思える患者さんは結構います。
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―私の子のように1年半も鼻水が止まらないという場合、先生だったらどうなさいますか。
先生●私は本人が元気で鼻水が出ることで困ることがないなら、あまり薬は使わず、本人が大きくなって自然に治っていくのを待つように勧めますね。「鼻水がでても困ることがないならよい」という考えです。
―確かに子供は元気ですが、鼻水がたまっていると集中力がなくなるのではないか、子供からきらわれるのではないかと、そんな不安も出るんです。
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先生●親ごさんとしては当然の悩みでしょうね。しかし、すぐに治るものでないなら、いまに治ると信じてのんびり待つ手ではないでしょうか。昔は子供のことを鼻たらし小僧といったように、昔の子供はいつも鼻をたらしていたものです。それでも中学生で鼻をたらしている子はいませんでしたから、やはり昔も成長につれて治ったのでしょう。 |
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