◆ 成長ホルモン治療とは

ヒトの成長ホルモンと同じものを遺伝子組み替えによって、精製している薬です。 成長ホルモン治療方法は、自己注射方法という病院で行う注射ではなく、ご家庭で週6〜7日注射をします。薬というと飲み薬を想像しがちですが、飲み薬ではありません。飲むと消化されて効き目がなくなってしまいます。そのため注射をすることが必要です。成長ホルモン注射は夜寝る前に行い、小さいうちはお父さん、お母さんが注射をし、自分でできるようになったら本人が行うことも可能です。注射針はとても細く痛みは少ないです。



◆ 副作用の心配

これまで、25年以上にわたる世界中でのかなりの数の治療経験から、現在用いられている製剤は、非常に安全性の高い治療法といえます。 まれに、副作用がみられることもあります。注射した場所の皮膚が赤くなったりかゆくなったり、注射部位がへこむこともあります。同じ場所ばかりに注射するのでなく、毎回注射する場所を変えることが重要です。 身長が伸びるのに伴って関節が痛むこともあります。多くはいわゆる成長痛で、一時的なもので心配いりません。しかし、股関節の痛みが強い時や長時間続ければ大腿骨骨頭すべり症なども疑う必要があります。 一時期、成長ホルモン治療と白血球発症との関連性が心配されましたが、現在ではその関連性は否定されています。


◆ 成長ホルモン治療の期間

基本的には最終身長に達するまで続けることが必要です。具体的には、年間成長率が1cmになった時か、手のレントゲンで骨端線が閉じた時(日本人標準骨年齢では男子16歳、女子14.7歳) 暦年齢では、男子18歳頃、女子16歳頃まで続けることになります。しかし思春期の早い遅い、性腺刺激ホルモン分泌不全の有無によって治療期間が異なり、20歳を過ぎることもあります。